他人事とは思えない

精神疾患・処女・何となく一家離散という様々なややこし事を抱えながらも東京で逞しく日々生きてる人の日常。2019年4月から某企業で障害者雇用で働いてるけど貯金がありません。

最後の旅行(一)

最後に新幹線に乗って旅行したのは三年前の六月だった。

当時はまだクレジットカードを所有していて、
自身の金銭感覚の本当のヤバさに薄々気づきながらも、月に多い時で二十四万程稼いでたのにも関わらず何故か母親と有無を言わさず生活費を完全に折半しており、
休日もライブの遠征費を稼ぐ為土日はティッシュ配りの日雇いバイトをしていた。
最終的には化粧水やガストのチーズハンバーグセットも十回払いで支払っていたのだが、
これがおそらく最後のライブ遠征になるだろう。
と、こんな生活がいつまでも続く事が無いと何処かで感じていた。


私には同じ名前の友達がいる。

四歳下で鳥取から十代の頃に岡山まで出てきて一人で自活しながら暮らしてきた。

それだけではなく今は相棒の猫と一緒に暮らしていて、年下ながら尊敬している人物の一人だ。
よりしっかり者で地元に残って暮らしている二歳下の妹さんもいて、
誠に勝手ながら一人っ子の私は彼女達を妹のように思っている。

彼女達と知り合ってからは、基本的に二人に会う事を前提としてライブの行き先を決めていた。

私達の中間地点はアバウトで名古屋だが、それで妹さんが鳥取から出てくる事を考えると全然フェアじゃない。
大阪かベストは広島、最高なのは私が岡山に行く事だった。

フジファブリックのライブハウスツアーの日程が決まった時とほぼ同じタイミングで私が長年行っているライフワークの楽天トラベルの懸賞が当たった。

香川県の高松ではない、小さな街のホテルだったが、調べてみた所岡山からJR快速マリンライナーで四十分程の所にあった。

今回は香川に前乗りして二日目に岡山に向かいライブを観る。三日目は大阪にいる友達に会いに行く事にした。

日本旅行社で予約、二泊三日で三万五千円程。

支払い回数は二十四回払いにした。