他人事とは思えない

精神疾患・処女・何となく一家離散という様々なややこし事を抱えながらも東京で逞しく日々生きてる人の日常。2019年4月から某企業で障害者雇用で働いてるけど貯金がありません。

最後の旅行(五)

東京を出発してから七時間以上経ち、
最初の目的地仏生山温泉の最寄り駅・仏生山駅に到着した。


ここから徒歩十分程との事なので、歩いて向かう事にしたのだがこれが大きな選択ミスだった。


完全には舗装されていない砂利道が安い靴の裏に絶妙にダメージを与え、何よりもガードレールがなく車が自分の横をギリギリに通る。

キャリーバッグも引きづりながら知らない街の景色を逍遙するゆとりもなく、息も絶え絶えに漸く到着した。

温泉といいながらも見た目は武蔵小山の清水湯や表参道のなんとか湯のような、より洒落た外観の銭湯と言った所か。



ところで私は銭湯や温泉自体声高に好きだと公言出来る程ではない。


厳密に言うと「好きだが不得意」なのだ。


脱衣所で衣類を脱ぐ瞬間は痴情の極みだし、湯船に入る瞬間もアチチなどと様子見しながら足先からチュビチョビと湯に浸かる姿を客観的に見ても滑稽過ぎる。


自分の部屋や身の回りが全く片付けられないのを大棚に上げて、公共の物は大概エンガチョと言う厄介な価値観を持っている為、バスマットを筆頭に、イス、桶、はたまた土足で歩かない廊下そのものが汚く感じるのだ。


私の指先から常にアルコール消毒液が噴射されるシステムならば楽々クリア出来るが、
人体構造は一般の人間と同じな為不可能である。


銭湯及び温泉は清潔になる場所・リラクゼーションというよりかは、
カラオケなどと同じ「動」のアクティビティの属性にカテゴライズする事で公共浴場という場を楽しむようにしている。


あとここはさらっと読み流して欲しいのだが、女体はシンプルに見たいので、
見ないようにしないといけない事に結構気を遣う。

故に友人や会社の慰安旅行等自分の知っている人間とは絶対に入りたくない。

そもそも見られたくないという気持ちも同じくらいあるが。



さて入浴である。然程広さはないものの清潔感があり、私の好きな寝湯も多く中々よい温泉だった。

随分とあっさした感想になってしまったが、いかんせん三年前なので詳細など当に記憶から消えている。

今後も大体継ぎ接ぎだらけで無い記憶をパテで塗り込みながら書いているのでご容赦いただきたい。



風呂上がりに牛乳は当然飲むが、風呂上がりに牛乳を飲む時に最も牛乳が好きな側の人間で良かったと実感する。

「らくれん」は四国地方のメーカーなのだろう。


のちにマッチングアプリで下記の写真を載せた所、

「四国行って来たんですね♪僕も温泉好きなんです!色々お話ししましょう☆」
だか全然違うような内容のメッセージが届いた。

星の数ほど訪れる巡り逢いの中で
(jungle Smile)
私にメッセージを送ってくださった事は非常に有り難く思うが、

変換したら最初に出てくるタイプの顔文字を多様するプロフィールに悪酔いをした為、そっとスワイプした。



f:id:maooon_fab_uc:20190529165018j:plain