他人事とは思えない

精神疾患・処女・何となく一家離散という様々なややこし事を抱えながらも東京で逞しく日々生きてる人の日常。2019年4月から某企業で障害者雇用で働いてるけど貯金がありません。

最後の旅行(九)

岡山駅に再び着いた。

晴れの国・岡山とはいうがこの日は既に小雨がぱらついていた。

ほどなくして友達姉妹を見つける。

子供じゃないので大きくなったね〜などと声をかけるのは失礼だが、
小柄で可愛らしい二人を見るとつい言いたくなってしまう。

私の友人あるあるなのだが食事の店は私が好きな店でいいとよく言われる。

食べ物の好き嫌いが激しいのと食べたいもののこだわりが異常なので皆優しく合わせてくれているだけなのだが、
今回もご多分に漏れず私の行きたい店で昼食を取ることとなった。

豚の蒲焼き重以外にももう一つ食べたかったものが
ある。

デミかつ丼というその名の通りカツにデミグラスソースをかけた丼飯だ。

その老舗の店が駅から少し歩いた所にあるので行ってみる事にした。


迷いながら二十分程歩き漸く着くと、
老舗の料亭の様な佇まいで本当にここか?と迷ったがデミカツ丼と書かれた松屋の如く券売機が置かれていたので、どうやら間違っていないようだ。

ツアーTシャツこれ着てきたんだね〜など談笑していると割と早めに料理が運ばれてきた。


うん・・・美味しいけどデミグラスが濃すぎるかもしれない。

味深みがある濃厚さではなく水の分量が少ない方の濃さだ。

カレーでもややシャバ寄りのカレーが好きな私にとっては口に味がずっと残る感じがして、
昨日までの食事が全てクリティカルヒットをしていた為、ハードルもいやに高くなっている。

だが友達姉妹は、初めて食べるとの事で楽しそうだったし、美味しかったみたいなので
まぁよかった。



イオンの地下のロッテリアだか何処かで軽くお茶をした。

話の詳細は伏せるが、地方都市の就職も離職も難しい実情と、
だからこそ知恵や気を回してより良い人間関係を築こうとするのだろうと思った。

私自身アルバイトを含めたら数えるのが面倒なぐらい転職してきており、
「逃げられる」メリットを享受して生きてきた。

(逃げていいという教育を本質を捉えて受けてきていないように思えるので、
当然罪悪感を抱えながらだが)

若くして自活しライブ遠征に行く費用を貯めてコツコツ働いていてそれは当たり前の事ではない。
失礼覚悟で言うが明らかに東京の賃金と格差があるのに。

とんぼの最終回で長渕剛がヘリに乗って空から金をばらまいたように彼女達の上に散布したい。

そして自分の分も少し残しておきたい。

ただ色々話を聞いても今の派遣先は業務内容も難しいし、
教えてもらっても理解出来ないし、
昼休憩は人の悪口ばかり言うオバハンと取るハメになってるし、
私にとっては辛い環境である考えは変わらなかった。

旅行から帰ってきたら派遣会社に次回の契約は更新しない事を伝えようと改めて決意した。


そして思考し過ぎたせいか呼吸器の調子も芳しくないので一旦ホテルへ戻る事にした。

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